2014/07/12

海街diary 6 四月になれば彼女は (フラワーコミックス)

 新刊情報をみかけて、本屋へすっ飛んで購入。鎌倉を舞台にした四姉妹の物語、なんて書くと逆に陳腐だが、毎回これでもかこれでもかと、感動にさらに感動を積み重ねてくる。

 今回なかでもはまってしまったのが、このなかの3話目の「地図にない場所」。ははーんと鼻で笑われそうだが、やはりこういう話があるからこその少女漫画、少女漫画家だと思うのですよ。



 以下ネタばれあり!





「金沢からきた新しいイトコと、迷子になりつつ、ある店を探す」

 ストーリーとしてはこれだけなのに、情景と言葉が、少しずつ積み重なって、静かできらめくようなクライマックスへと導かれる。

 どうしてこんなに胸がきゅんきゅんするんだろう!
 どうしてこんな話がかけるんだろう?

 何度も何度も思ってしまう。末っ子の恋の行方も、甘酸っぱいにやにやがあふれているが、今回のはもう、何度も読み返して、そのたびにこころが乙女スイッチオンになる。あぁ少女漫画だ。少女漫画だよこれ。少女漫画だああああ!!、と、一人で祭状態。

 唐突にこの話があっても、ここまで感動はしない。「いちがいもんの花」の話で、イトコとの出会い、うつくしいもの、ものを作り出すことについてのエピソードが、それらとは真逆の、お金を巡る醜い争いとともに描かれるから、この「地図にない場所」のエピソードがまさに心に迫ってくる。

 汚いもと美しいもの、悲しみと喜び、別れと出会い。大人とこども、その狭間。

 連作短編集としてここまでの傑作。漫画でかつ、一つの小説を内包しつつ、自分がいままでにみた、空や海、緑、街の光景も鮮やかに思い出させてくる。



 


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